HAKYUN LOVE’s STORY【はぎゅらぶ】

【韓国ドラマ 怪物】のその後を勝手に妄想

【怪物★アナザーストーリー】024.地下の研究施設

024.地下の研究施設

 

ジュウォンとチャンスは階段を上がってくる研究員達をかき分けて中に入っていく。

 

非常ベルが響き渡り、研究員たちは、何が起きているかも分からず外へ出ようとしていたので、ジュウォンもチャンスも、容易に中に入れた。



地下2階に研究施設というより病室の様なものが複数あり、少女達はその中に監禁され、身動きも取れないまま機械に繋がれていた。

 

意識は朦朧としているが、無事な様だ。

 

探していた少女が生きていたという安堵感と、痛々しい姿に対する怒りでジュウォンは涙を堪えきれなかった。

 

ドンシクに無線で報告すると、一人一人に「助けに来たから、、、もう安心だからね。すぐ出してあげるから待っててね」と声をかけたが、、、少女達の心の傷を思うと、事件解決にも素直に喜べないジュウォンだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

その後、宗教に擬装していた製薬会社の研究員全員を逮捕し、9人の少女を保護。

 

保護した全員は、スーパープラセンタを作るために人工妊娠と中絶を繰り返し行われていた。

 

そして、何度も中絶を繰り返して妊娠が不可能となった少女は、殺されて猟犬の餌にされ、残った骨は畑の下に埋めていたのということが研究員の取調べで分かった。

 



 

掘り返してみると、転生院の周りからは、新旧無数の骨が発見され、どれが戦時中の物なのか、どれが今回の被害者なのか、すぐには分からないようだが、村人たちが火の玉を見たと言うのは、少なからずこれが原因だったのではないだろうか?

 



 

猟犬はRT製薬会社の社長の飼い犬で、ドンシクの仮説通り、誘い出した少女を山の中に追い込む役割をしていた様だ。犬達に罪はないが、人を襲う恐れがあるとして、全て保健所に連れて行かれた。

 

RT製薬社長は逮捕されたが、今のところ、ほとんどの内容を否認している



025へつづく

 

【怪物★アナザーストーリー】023.山火事の裏側

023.山火事の裏側

 

数日前、チームの会議を行う。

 

全体の流れをジュウォンとドンシクが説明する。

 

チーム長は横で苦虫を噛み潰したような顔をしているが、今までのドンシクの手腕を知っているので、グッと我慢している。

 

もしも失敗した場合はドンシクが責任を取ると言うのでやむなく承諾したが、山火事を作るなど本当にうまく行くのだろうか?、、、。

 

 

会議の後ドンシクはジュウォンとチャンスに色々と指示書を渡した。各行政、消防等に提出する書類や、電話して根回しするところ。あとは付近の住民へのビラだ。

 

行政には、ドラマ撮影のため敷地を使い通行止めにする事が簡単な絵コンテと、平面図入りで書かれている。ドラマの撮影と言えば大韓民国はなぜか協力的だから文句も言われない。

 

提出主はディメンション・ワールドになっている。もちろん了承済みだ。

 

念の為、カメラの位置や出演者の人数、プロジェクター、移動式バッテリーやサーキュレーターなどの台数も書いてある。後で何か言われた時に困らないためだ。

 

付近の住民には、撮影のため一部通行止めになることや、ドラマの公開前に、SNSで拡散した場合には法的に処罰されるので、絶対しない様にという趣旨の内容を配った。

(もちろん、このビラを見て逆にYoutubeなどにアップする者が出る事を予測してだ)

 

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山火事当日。ディメンション・ワールドのスタッフ達は、山の反対側から現地入りし、静かに設営が進んでいる。

 

山の中のあちこちにスクリーンをテキパキと取り付ける。

 

 

夕暮れ。そろそろ本番スタートだ。

 

カチンコには「シーン1 山火事発生」と書いてある。

ディレクターのキューでカメラを回す。カチンコの乾いた音が響く。

 

 

崖と林のあいだに設置したスモークマシンで、煙を少しずつ出す。 次第にあたりは白いモヤに包まれていく。

 

 

それと同時に、別の噴霧器からは、木の焦げた、臭い(これは今回のために特別に作ってもらった)を噴霧。

 

ディレクターがプロジェクターチームにキューを出すと崖の壁面や、ゆらめく炎を模した布に映像が映され、あたかも炎が上がっている様に見える。

 

さらに、サーキュレーター(送風機)に布を貼り付けた装置にスイッチを入れると、下から炎が噴き上がっているようだ。

 

スモークマシンから出る煙にも赤々と炎が映るため、見た目には辺りは灼熱の地獄と化している。

 

次第に音響も大きくなり、パチパチと火の粉が弾ける音、ゴーッと炎の唸る音がリアルに響き渡る。

 

そろそろ仕上げだ。

 

ディレクターがトランシーバーで指示を出す。

 

役者さん達が「火事だー‼️山火事だー!」「助けて〜!!」「きゃー‼️」「誰かー!水を!!」とにかく大騒ぎだ。音響さんがわざと山に反響させる。

そろそろ、林の向こう側の転生院の中の人達も気がついている頃だ。

 

間近で見ても本物みたいだが、林の向こう側から赤々と燃え盛る木々や、ものの焦げる臭い、響き渡る叫び声は、誰がどう見ても本物の山火事そのものだった。

 

ドンシクからのメールの合図で、ディレクターが最後のキューを出す。

 

転生院の付近の林の中に隠れていた役者1が、ヨタつきながら転生院へ。

 

中から顔を出している人を見つけると

「大変!早く逃げてー!山火事がっ!!すぐそこまで燃え広がってて、ここも危ないですよっ!!」と叫んだ。

 

その頃には、異臭に気がついたのか、転生院のあちこちで窓を開けて外を見て、呆然としている人、慌てて何か叫んでいる人も出てきた。

 

さらに火の手は大きくなり、遠くから消防車のサイレンも聞こえて来た。もちろん音響効果だが。

 

ディレクターが更にキューを出す。

 

役者2が、走って来て、

「あんた達何してるんだ!!こんなとこにいたら焼け死ぬぞ!!」と言って走りすぎていく。

役者1も慌ててその後ろを追いかける。

それをみて、入り口で対応していた信者は血相を変えて中へ戻っていった。

 

修道院の中から人が出てきて、入り口の向こう側の床面がパックリと口を開け、地下からゾロゾロと人が上がってきている。床に隠し扉があったのだ。

 

ドンシクたちは、すかさず前に会った教祖を見つけると「こんばんは。他に部屋ありましたね。」といい

「前に言ったこと、忘れてませんよね?  他に部屋はないと、、、あの時のあなたの言葉も、録ってありますよ?」

 

 

 

偽教祖は諦めたのか、地面に座り込み「俺は何も知らない!雇われてるだけなんだ!」と半泣きだ。

 

ジュウォンから無線が入り、「少女達を発見ました。生きています!救急を呼びます!」その声は涙声になっていた。

 

「ドンシクさん、、、カンナも生きていました!」

 

ドンシクは、ジホに電話をかけた。

 

「作戦成功。協力ありがとう。君のおかげでたくさんの命を救うことが出来たよ。」

そして、、ドンシクはチーム長にも連絡を入れた。

 



 

RT製薬の社長宅近くで連絡を待っていた強力班のチーム長たちの別班が中に踏み込んで、社長を確保した。

 

チーム長は、この役をやる事で、ドンシクに作戦を許可したのだ。

(もちろん逮捕できなかった時にはドンシクの勝手な単独行動で処理するつもりだったが、、、。)

 

 



 

 

024へつづく

 

 

シン・ハギュンさん50歳の誕生日おめでとう〜 お誕生日動画つくったよ

動画を直接貼れなかったので、Twitterの方からもってきました

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【怪物★アナザーストーリー】022.山火事発生

022.山火事発生

 

その日、ドンシクたちは暗闇に息を潜めていた。

 

「本当にうまく行きますか?」チャンスは心配顔だ。

 

「山火事になれば慌てて出て来ますよ。」ジュウォンはそう信じているのか信じたいのか、、、転生院の方を睨みつけている。

 

「チャミー、肝っ玉が座ってるなぁ。こんなことやって、誰も助け出せなかったら、減俸じゃ済まないのに、、、」

 

「チャミーはやめてください!」

 

夕暮れ。そろそろ約束の時間だ。

 

転生院の横は大きな畑が広がり、その向こうは林が続いている。

 

その林の向こう側から、なにやらきな臭いニオイが漂って来た。

 

うっすらと煙も流れてくる。

 

すると、林の向こう側で、赤々とした炎がちらつきはじめた。山火事が起きたのだ。

 

「時間通りだな」ドンシクは腕時計を見ながら呟く

 

炎は次第に広がり、ところどころに火柱があがる。

 

 

 

焦げた匂いが辺りに充満し、ゴーッと炎が唸る音や、パチパチという木が弾ける音も聞こえてくる様になった。

 

木が重なっていてよくわからないが、叫びながら動いている人影も見える。

 

山に反響してか、辺りに響き渡る叫び声。

 

 

そろそろ、転生院の中の人達も気がついて窓を開けたり外に出て見たりしている。

 

転生院の付近の林の中から、命からがら逃げて来た人が「大変!早く逃げてー!山火事がっ!!すぐそこまで燃え広がってて、ここも危ないですよっ!!」と、息絶え絶えに叫んだ。

 

転んだのか、膝からは血も出ている。

 

 

さらに火の手は大きくなり、遠くで消防車のサイレンも聞こえて来た。

 

次の人が走って来て、「あんた達何してるんだ!!こんなとこにいたら焼け死ぬぞ!!」と言って走りすぎていく。

 

さっき来た人も、慌てて山火事と反対方向へ走っていった。

 

それを見て、入り口で対応していた信者は血相を変えて中へ戻っていった。

 

「あれ?SNSに流しちゃダメって言ったのに、YouTubeで山が燃えてる映像LIVEで流れちゃってますよ?!」チャンスが困った様にドンシクに囁いた。

 

 

その動画をみたのか、信者の中の1人が慌ててドアから飛び出してガレージの中へ、、、スイッチを押すと床の一部が開き、中に向かって

「書類を出せ!材料もだ!!早く!!」と叫んでいる。

 

すると、中から白衣を着た人たちが、両手に書類やスーツケースなどを持ってゾロゾロと出てきた。

 

転生院の中からも人が出てきて、入り口の向こう側の床面がパックリとら口を開け、地下からゾロゾロと人が上がってきている。

 

転生院のなかに、この間は見えていなかった地下室があるのはこれで間違いのない事実となったのだ。

 

ドンシクは、すかさず前に会った「教祖」を見つけると

「こんばんは〜!!あれれ?他に部屋ありましたね。」といい、

「ジュウォン!チャンス!地下だ!!」と叫んだ。

 

止めようとする教祖を遮るドンシク。「前に言ったこと、忘れてませんよね? あの時のあなたの言葉も、録ってありますよ?」それに

「さっき届いたんですが、、、念の為、ここの施設の敷地内から化学薬品、注射針などの不法投棄があったと、捜査令状も取ってあるんですよ?」

 

教祖は、地下に降りていくジュウォンとチャンスを見て、もうこれまでと思ったのか、肩を落とした。

 

他の白衣を着た人たちは山火事からデータや研究資料を守ろうと必死になって荷物を運んでいる。

 

ジュウォンから無線が入り、「少女達を発見しました。生きています!救急を呼びます!」



 

ドンシクは、ディメンション・ワールドのジホに電話をかけた。

「作戦成功。ご協力ありがとう。」

 

するとまず、叫び声が消え、赤々と燃えていた森が一瞬にして暗くなり、辺りは静寂に包まれた。

 

そして、次の瞬間、転生院全体がサーチライトで照らされ、警察官が取り囲んだ。

 

サーチライトに照らされた信者兼研究員たちは、みな訳もわからずボーゼンとしていた。

 



023へつづく

 

 

【怪物★アナザーストーリー】021. 炎のカクテル再び

021. 炎のカクテル再び

 

 

ジュウォンはドンシクの言葉がどういう意味がわからず、「さっきの、他に部屋があればってどういう意味なんですか?」

 

「さっき、食堂は見たよな。」

 

「はい、、結構大きめな食堂がありましたが…」

 

「じゃあ、厨房は?」

 

「あ。。。」

 

「20人以上が自給自足の共同生活するのに、厨房や大型冷蔵庫がないなんて、ありえないだろ。」

 

「じゃあ、やっぱりあの転生院のどこかに隠し部屋が、、、」

 

「おそらく地下室があるんだろう。もちろん、厨房だけじゃなくてな。」

 

2人は、どうにかして、地下室に潜入できないか、バーで飲みながら考えることにした。

 

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路地裏のバー「茶色の小瓶」のドアを開ける

 

また、今日もカウンターに座る2人。

 

「俺はいつもの。」とドンシク。

 

ジュウォンは、「あのー、またあれが見たいんですけど、、、」

 

「あれって、フレア?それともブルーブレイザー?」とマスターが笑いながら聞く。

 

ドンシクが慌てて「マスター!飲み過ぎると帰る時大変だから頼むぜ」

 

「じゃあ、まずこんなのはどうかな?‘’魔法使いのカクテル‘’」

 

「わ!楽しみ!!」ジュウォンは目を輝かせる。

 

グラスを目の前に置き、シトラスと青い液体を注ぐ。

 

そして、なぜかモデルガンを取り出したかと思うとクルクルとまわし、引き金をひく。すると銃口からぷーっと出て来たのは白いシャボン玉?

 

 

シャボン玉が大きく膨らんだら、グラスの上にフワリと乗せた。

「はい、魔法使いのカクテル。🍸フレイバー・ブラスターです。」

 

 

ジュウォンは、グラスの上に大気膨らんだ白い球体をしげしげと眺めている。

 

ジュウォンがマドラーを近づけたら、シャボン玉が割れて中から白い煙が飛び出し、ミントの香りがあたりに広がった。

 

思わず拍手するジュウォン。

 

「凄いですね!!こんなカクテル見たことない!!本当に魔法使いみたい!」

 

ジュウォンは一気に飲み干してしまった。

 

マスターは気を良くして「では、次はブルースカイという、カクテルを」

 

グラスに、透明、青の液体を注ぎ、空のグラデーションを作る。

 

その後、少しだけミルクを垂らすと、まるで空の上に雲が漂っている様になった。

 

「わー!綺麗✨」

 

「まだ、完成じゃないですよ。」といいながら、マスターはラムを静かに注ぐ。

 

そして、火をつけた。

 

「わぁー!今度は前と違って赤い炎ですね。」

 

マスターが炎に砂糖を振りかける。するとまるでグラスの雲から雪が降っているようだ

「わー!空から雪が降ってるみたいに?」

 

ジュウォンはグラスの中に降る雪に釘付けだ。

 

「上から飲むと火傷しますから、火が消えたら下の方から、ストローで少しずつ飲んでくださいね。」

 

「わー!本当に不思議!こんなの見たことない!」

 

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「おい、それぐらいにしておけよ。火がつく酒はアルコール度数が、高いんだからな!」ドンシクは気が気でない。

 

「えー?!この間のあれ、もう一回見たい!」ジュウォンは酒が入るとどうも子供の様になってしまうみたいだ。

 

「ブルーブレイザーですか?あれはアルコール度数結構ありますよ?」マスターがドンシクの方をチラリと見る。

 

「分かったよ。俺が飲むから、作ってやってくれ。あんまり甘くないのを頼むよ。」

「かしこまりました。」

 

マスターはまず紅茶を入れたマグを用意して、その横でウイスキーを金属製のピッチャーに入れ温める。

 

ウイスキーに火がついたら2つのピッチャーのウイスキーを交互に入れ替え、次第に青い炎は大きくなり火柱が上がる。

 

最後に紅茶の入ったマグに注ぐとマグカップから炎があがる。



 

マスターは、小さな何かをジュウォンに手渡した。

 

「これを炎にふりかけて下さい」

 

ジュウォンが粉を振りかけると、マグから火の粉が舞い上がりシナモンの香ばしい香りがした。

 



 

最後にホイップした生クリームを少し乗せて、、、

 

「🍸アイリッシュアフタヌーンです。」

 

ドンシクはジュウォンに「半分だけだぞ」と言って少しかき混ぜてからマグカップを差し出す。

 

ジュウォンがアイリッシュアフタヌーンを飲むと、ジュウォンの鼻の下にホイップクリームがついた。

 

「お前は子供か?」ドンシクは笑いながら、ティッシュでクリームを拭ってやった。

 

ーーーーーーーー

 

「そう言えば、青い炎と言えば、千里山で人魂を見たと言う人がたくさんいましたね」ジュウォンが言う。

 

するとマスターが

「ヒトダマなら私も見た事ありますよ。」と言った。

 

「え?本当に人魂なんてあるんですか?!」

 

「人魂には諸説あるんですよ。昔はお墓でよく出ると言われて、それは土葬の際の人体から出るリンが発火するからだと言われていましたが」

 

「違うの?」今度はドンシクが意外そうに口を挟んだ。「昔からリンだと言うのが定説じゃない?」

 

マスターは続ける。

 

「現代では、死体から染み出したリンが発火する説も有力ながら、メタンなどのガス類や他の化学物質と木の葉の酸化や、雷雨が来る前に発生するプラズマの説とかもあるんです。」

 

ふたりはふ〜んと言うふうにうなずいて酒を一口のんだ。

 

ーーーーーーー

 

そろそろ、本題に入らなければならない。

 

「ジュウォン、転生院の中に閉じこもってる奴らを炙り出すにはどうしたらいいか?

それを考えに来たんだろ?」ドンシクが呟いた。

 

「炙り出すってぇ、やっぱり火で🔥炙るとか?!」ジュウォンは半分酔っ払っている

 

「コラ、本当に炙り出してどうする?!」

 

そう言いつつ、確かに山火事になれば出てくるかも、、、とドンシクは思った。

 

 

022へつづく

 

 

【怪物★アナザーストーリー】020.転生院の中へ

020.転生院の中へ

 

二日後、転生院から2キロほど離れたコンビニで強盗が起き犯人が逃走した。



 

ジュウォンは「これで、怪しまれずに転生院に探りを入れれますね!」とニヤリ。(もちろんコンビニ強盗も探さなくてはならないが、、、)

 

ドンシクとジュウォンは転生院の前に立ちベルをならす。

中から白い服の信者が現れた。

 



 

 

ジュウォンは、警察のタグを見せながら「警察のものです。近くのコンビニで刃物を持った強盗が出まして、、、忍び込んで隠れている可能性があるので捜査にご協力下さい。」

 

「それは困ります!」白い服の女性はドアを閉めようとする。

 

ドンシクは、「そこを何とかお願いしますよ。ニュースでもみたでしょう?

おっと、ニュースなんて俗世間の物は見ませんか、、、。

でも、ご協力頂けないとは、、、何か不都合なことでも?」

 

と女性信者が閉めようとしたドアを掴んだ。

 

すると女性の後ろから、同じ白い服の40代くらいの男性が出て来た。

 

信者の女性は「教祖様」と呼んでいる。

 



 

「、、、いいでしょう。どうぞお入り下さい。…その代わり」

 

「その代わり?」ドンシクは視線をあげて男性を見た。

 

「すべての部屋をご確認頂き、何もなければ2度と来ないでください。私たちの教団は、外の人たちとの交流を好みませんので。」

 

「う〜ん、いいでしょう。では、こちらからもひとつ条件を。」

 



 

「何でしょう?」

 

「見せていただいたすべての部屋の写真を撮らせてください。」

 

「…分かりました。ただし人は撮らないでください。部屋の中は撮っても結構です。」

 

「承知致しましたぁ!」ドンシクは大袈裟にお辞儀をして中へ入る。

ジュウォンも後に続いた。

 

ーーーーーーー

 

内扉を開けると、中は煉瓦造りの外観とは違って白いオフィスの様だった。

 

ジュウォンは「外観はレトロなのに、中は最新式のようですね。」

 

と話しかけてみた。

 

「こちらの建物を買い取ったのはこの、歴史を感じる建物が、私たち転生院の信仰の歴史と重なると思ったからなんです。でも、信者のためには新しく清潔な部屋でないといけませんからね。」

 

「中には何名がいらっしゃるのですか?」

 

「現在は20名ほどで共同生活をしています。自給自足という感じで。」

 

「あ、外に畑もありましたね。」

 

「ええ、生活に必要なものは大量に購入して蓄えていますから、それほど困りません。」

 

個室の様なものはなく、共同生活といった感じか?

礼拝堂やら、食堂、倉庫、会議室の様なものやら、2段ベッドが並ぶ新室、トイレ、浴室まで見せてもらったが、、、。

 

強盗犯の写真と似た人物はいなかったし、もちろん未成年の女の子らしき姿もなかった。

 

 







 

 

 

見た部屋は全て写真に撮った。

 

「あとは、ガレージと納屋です。」

外に出ると大きなガレージと、納屋を見せてもらう。

 

 

「これで全て見ていただきました。よろしいですね?」

 

「もう来るな。そう言いたそうですね?」

 

「ははは、そういうつもりでは。神の許しが必要ならいつでもいらして下さい。」

 

「これで、全部とおっしゃいましたけど、、、もしも、この他に部屋が見つかれば、それは怪しいって考えていいって事ですよね?」ドンシクは意味ありげだ。

 




 

「フッ。もちろんですとも。」

 

「その時には、ゆっくり見させてもらいますよ。では。」

 

2人は転生院を後にした。

 

 

021へつづく