HAKYUN LOVE’s STORY【はぎゅらぶ】

【韓国ドラマ 怪物】のその後を勝手に妄想

【怪物★アナザーストーリー】027.幸せになるために アナザーストーリー エンディング

027.幸せになるために アナザーストーリー エンディング

 

暖かな春の日差しが降り注ぐある日。

ドンシクとジュウォンは、再びドンシクの母を連れて、墓参りに来ていた。

 

 

 

2人はドンシクの妹と父の墓に花を手向ける。

 

 

すぐ隣にあるカン・ミンジョンの墓にも。

 

ドンシクは長い間目をつむって何かを語りかけていたようだ。

 

妹を失ったドンシクには、ミンジョンの成長が唯一の癒しだったのだ。助けることが出来なかったのはどんなにか辛かっただろう。

 

 

 

カン・ジンムク、ナム・サンベ所長の墓にも花を供えた。

 

ドンシクはカン・ジンムクの墓は見たくも無かったが、母はカン・ジンムクが連続殺人犯である事は知らないから仕方がない。。。

 

どうして一緒にしないのかと聞かれたが、「ジンムクさんは、俺はクリスチャンじゃないから墓を別にしてくれ」と、生前からいってたと嘘をついた。

 

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その後は、マニャン派出所時代の仲間たちも呼んで、みんなでピクニックだ。

 

 

 

 

花桃が咲く丘の上で大きめのシートを敷いて、真ん中に低いちゃぶ台を置く。

ジュウォンが作ったおかずや海苔巻き、デザートが並ぶ。

 

弱虫のオ・ジフンは警察官をやめてサラリーマンに転職

今はウェブトゥーン(WEB漫画のこと)の編集者になって頑張っている模様。

「姉に憧れて警察官になったけど、、、もう怖い思いはこりごりです。。。警察官は僕には向いてませんでした。」

 

待ち合わせていたジェイが大きなタッパーを持って来た。

「良いお肉入ったから煮物作ってきたよ^_^」とピースサイン

 

「お!俺の好きなやつ」ドンシクが蓋を開けて言う。

ジェイも、事件が解決してからすっかり明るくなって、、、本来の姿を取り戻したようだ。

 

遅れてジョンジェがやってきた

 

「ハ〜イ!マイフレーンズ。ハワユー?」手には焼酎とマッコリがいっぱい入った袋を持って。

 

「やっとシャバに出てきたな、今日は豆腐はないぜ、パクジョンジェ! しかし、そのインチキ英語いい加減やめろよ!」ドンシクが突っ込む。

 

「Why?」ジョンジェがおどける。

 

 

 

みんな大笑いしている。

 

満開の花桃を眺めながらの花見宴会のようだ。

 

ドンシクの母親も施設に許可をもらい少しだけ酒を飲んでいる。

酒を飲んでいないのはジュウォンだけだ。

 

「ハン・警部〜飲んでよー!ほら」

ジェイがおちょこを差し出して焼酎を勧める。

 

「いいえ、僕は焼酎は飲みませんので。」頭を振るジュウォン。

 

「そういえば、ハン・ジュウォンじゃなくて、ソ・ジュウォンになったんでしょう?ソジュを飲めるようにならなきゃ!」どこかで聞いたセリフだ。

 

「僕は飲めないじゃありません。飲まないだけです!」

 

そのやり取りをみて口を挟むドンシク「ジェイや!ジュウォンが飲んだら運転手がいなくなるから飲ますなよ! それに、、、」

 

「それに?」ジェイが聞き返す

 

「ジュウォンは焼酎のむと、、、泣」

 

「ストップ!そこまでで💢」ジュウォンがあわてて遮る。

 

暖かな日差しに花桃の花が揺れて、みんなの笑い声は高い空に吸い込まれていった。

 

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施設にドンシクの母を送り届け、ジュウォンとドンシクは2人でジュウォンの母の記念樹へと向かった。

 

 

根元に水を撒き、2人はさっき手折ってきた花桃の枝を手向ける。

ジュウォンは無言で母になにかはなしかけているようだ。

ドンシクは、ただその後ろ姿を見守っていた。

 

帰り道、車へと歩きながらジュウォンは

 

「父を許してやっても良いでしょうか?」どドンシクに尋ねた。

 

「正直、今まで、父には反抗する気持ちしかなかった。、、、けど、今の父には心の拠り所は僕しかいないでしょうから。」

 

「…。」ドンシクは黙って歩いている。

 

「母はきっと、僕が幸せになる事を望んでいます。 僕は、息子として、警察官として、犯罪を憎んでも犯罪者を許す心を持たなきゃいけないと思うんです。父を許す事が出来なければ、きっと心から笑うことも出来ないから、、、」

 

「…。」

 

「僕は、父が今までの愚行を反省し、自分の罪をしっかり見つめ直してもらうためにも、息子として支えてやらなきゃならない、、、いえ、支えていきたいと思っています。」

 

 

 

「、、、それで良いよ。」ドンシクは立ち止まり「お前が思う通りにしたら良い。それが正解だから。」

 

 

「ドンシクさん。」

 

「俺はどんな時もお前の味方だから、、、だって、俺たちこれからもずっとパートナーだろ?」

 

そう言ってドンシクはジュウォンの頭をくしゃくしゃとなでた。

 

「、、、はい!」

 

 

日の暮れかかったマニャンの丘に、風が吹き抜けた。

 

ポケットに手を入れて先に歩き出したドンシクの背中を見ながら、ジュウォンは、遠くで揺れているあの、ススキ野のザワザワした音を思い出していた。

 

 

 

お わ り

 

 

 

最後まで読んでくれてありがとう💕