【怪物★アナザーストーリー】020.転生院の中へ
020.転生院の中へ
二日後、転生院から2キロほど離れたコンビニで強盗が起き犯人が逃走した。
ジュウォンは「これで、怪しまれずに転生院に探りを入れれますね!」とニヤリ。(もちろんコンビニ強盗も探さなくてはならないが、、、)
ドンシクとジュウォンは転生院の前に立ちベルをならす。
中から白い服の信者が現れた。
ジュウォンは、警察のタグを見せながら「警察のものです。近くのコンビニで刃物を持った強盗が出まして、、、忍び込んで隠れている可能性があるので捜査にご協力下さい。」
「それは困ります!」白い服の女性はドアを閉めようとする。
ドンシクは、「そこを何とかお願いしますよ。ニュースでもみたでしょう?
おっと、ニュースなんて俗世間の物は見ませんか、、、。
でも、ご協力頂けないとは、、、何か不都合なことでも?」
と女性信者が閉めようとしたドアを掴んだ。
すると女性の後ろから、同じ白い服の40代くらいの男性が出て来た。
信者の女性は「教祖様」と呼んでいる。
「、、、いいでしょう。どうぞお入り下さい。…その代わり」
「その代わり?」ドンシクは視線をあげて男性を見た。
「すべての部屋をご確認頂き、何もなければ2度と来ないでください。私たちの教団は、外の人たちとの交流を好みませんので。」
「う〜ん、いいでしょう。では、こちらからもひとつ条件を。」
「何でしょう?」
「見せていただいたすべての部屋の写真を撮らせてください。」
「…分かりました。ただし人は撮らないでください。部屋の中は撮っても結構です。」
「承知致しましたぁ!」ドンシクは大袈裟にお辞儀をして中へ入る。
ジュウォンも後に続いた。
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内扉を開けると、中は煉瓦造りの外観とは違って白いオフィスの様だった。
ジュウォンは「外観はレトロなのに、中は最新式のようですね。」
と話しかけてみた。
「こちらの建物を買い取ったのはこの、歴史を感じる建物が、私たち転生院の信仰の歴史と重なると思ったからなんです。でも、信者のためには新しく清潔な部屋でないといけませんからね。」
「中には何名がいらっしゃるのですか?」
「現在は20名ほどで共同生活をしています。自給自足という感じで。」
「あ、外に畑もありましたね。」
「ええ、生活に必要なものは大量に購入して蓄えていますから、それほど困りません。」
個室の様なものはなく、共同生活といった感じか?
礼拝堂やら、食堂、倉庫、会議室の様なものやら、2段ベッドが並ぶ新室、トイレ、浴室まで見せてもらったが、、、。
強盗犯の写真と似た人物はいなかったし、もちろん未成年の女の子らしき姿もなかった。
見た部屋は全て写真に撮った。
「あとは、ガレージと納屋です。」
外に出ると大きなガレージと、納屋を見せてもらう。
「これで全て見ていただきました。よろしいですね?」
「もう来るな。そう言いたそうですね?」
「ははは、そういうつもりでは。神の許しが必要ならいつでもいらして下さい。」
「これで、全部とおっしゃいましたけど、、、もしも、この他に部屋が見つかれば、それは怪しいって考えていいって事ですよね?」ドンシクは意味ありげだ。
「フッ。もちろんですとも。」
「その時には、ゆっくり見させてもらいますよ。では。」
2人は転生院を後にした。
021へつづく