HAKYUN LOVE’s STORY【はぎゅらぶ】

【韓国ドラマ 怪物】のその後を勝手に妄想

【怪物★アナザーストーリー】016.ショットバー「茶色の小瓶」で

016.ショットバー「茶色の小瓶」で

 

ドンシクがジュウォンを帰りに連れて来たのは、裏通りの小さなバー「茶色の小瓶」。

 

看板の明かりも弱々しく、空いてるのかどうか覗き込まなきゃ分からない程だ。

 

 

ドアを開けると♪カランカランと懐かしいような音がした。

 

中に入ると、意外と清掃も行き届いていて、ジュウォンは少しホッとした。(潔癖症だからね😅)

 

カウンター7席と、4人掛けのテーブルが3つほどしかない。

 

ドンシクは誰もいないカウンターに座り、ジュウォンを横にすわらせる。

 

マスターに「俺はいつもの。こっちは誕生日だから、なんか特別なのを作ってやって」

「OK」マスターは目配せしてフルーツを探し始める

 

「え?どうして誕生日だって知ってたんですか?」驚くジュウォン。

 

「ばかだな。パートナーの事はそれくらい知ってて当たり前。それどころか、今日のブリーフの色だって…」

 

「ストップ!そこまででいいです💢」

 

 

 

マスターがこちらに話しかける 「じゃ始めますよ?」

 

 

急に店内の照明が薄暗くなって、カウンターにスポットライトが当たる。

 

すると、他の客席から待ってました!と拍手があがる。

 

キョトンとしているジュウォン。

 

すると、軽快な音楽がスタート!周りの客から手拍子が始まり、その音に合わせるように、マスターがボトルやシェイカーをジャグリングみたいに回したり高く飛ばしたりしだし

 

 

 

ドンシクは、「ここのマスター、実は過去にフレアバーテンディングの大会で、色々な賞を貰ってる人なんだぜ」棚にはトロフィーや盾も並んでいる。

 

ジュウォンはマスターの動きに目が釘付けだ。

 

オレンジやレモンが真っ二つになったと思ったら果汁が絞り出されて、苺も手品のようにカットされていく。一体何が出来るのか見当もつかない。

 

次々と何かがシェイカーに入れられて氷と攪拌されるシャカシャカという音が響く。

 

ジュウォンとドンシクも知らない間に音楽にあわせて手拍子しながらマスターの動きに魅入っている。

 

マスターは4つのシェイカーを空中に放り上げ、取っては投げ取ってはなげる。

 

そして、そのシェイカーから、大きめのグラスにオレンジ色、赤色、黄色、水色のシャーベット状の液体が注がれ、グラスに虹色の層が出来た。

 

完成か?と思った時、パッと照明が消えて真っ暗に。

 

次の瞬間、ウイスキーを注いだ銀色のピッチャーに青い炎があがった。

 

ピッチャーからピッチャーへと炎が移動して、最後に高く掲げられた青い炎が、先ほどの虹色のグラスに注がれ、まるでグラスから火柱が上がっているようだ!

 

 

 

(※これは、フレアバーテンディングの父、ジェリー・トーマスが産んだ“ブルーブレイザー”という技だ。)

 

一同大拍手!!

炎が消え、一瞬真っ暗になって、次に灯りがついた時には、虹色のグラスに氷と❤️型にカットされた苺が配置され、美しいカクテルが完成した。

 

マスターは「どうぞ!カクテルの名前は“雨上がりの虹🌈”です。」

 

マスターや周りの客に拍手されながら、ジュウォンは出来立ての特別なカクテルを飲んだ。

 

 

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帰り道。ジュウォンはフラフラと歩きながら「今日は、ありがとうございました。」と、つぶやく。

目はとろんとして、ドンシクのひじのあたりをつまんで歩いている

 

あのカクテルはパステルカラーで、ライトな飲み物に見えて、結構アルコールがたくさん入っているからヘビーだ。

 

その後、気をよくしてその他にも何杯もカクテルを飲んだせいもある。

 

「こんな楽しい誕生日は初めてでした。プラネタリウムも素敵だったし。フレアバーテンディングもすごかったし」

 

「そっか…これからはもっと楽しい事がいっぱいあるよ。」

 

「そうでしょうか?」口を尖らせるジュウォン

 

「ああ、おれが保証するよ。」

 

「あはは、そんな事言っていいんですか? 責任取れるんですか?」ふらついて倒れそうになる。

 

「なんでもいいけど、部屋まで寝るなよ?!おまえ重いんだからな!!」

 

石畳に映る2人の影も楽しげに揺れていた。

 

 

017へ続く