HAKYUN LOVE’s STORY【はぎゅらぶ】

【韓国ドラマ 怪物】のその後を勝手に妄想

【怪物★アナザーストーリー】015.プラネタリウム

015.プラネタリウム

 

そんなある日、ジュウォンは、プラネタリウムのチラシを持って来た。

 



 

「今度、コレいきませんか?」

 

「なんだ?コレ?プラネタリウム?」

 

「子供っぽいっていうかもしれないけど、、、」

 

「あー!コレ最近できた‘’大韓民国最大級のアートプラネタリウム‘’だろ?」

 

「あれ?知ってたんですか?」

 

「知ってたも何も、俺結構プラネタリウム好きだったんだよ。子供の頃は親父とよく行ったなぁ。」

 

「そうなんですね…」

 

「おかげで、その頃は科学の成績も良かった。科学クラブも入っていたんだ。」

 

「ここのプラネタリウムは、普通のプラネタリウムだけじゃなく、プロジェクションマッピング の技法を取り入れて、自分が宇宙飛行士になった気分で宇宙の景色が見えたり、海の中へ潜って行ったりと映像や音楽も楽しめるのがウリなんですよ!」

 

「そうらしいな^_^ じゃあ明日、早く仕事が終わったら夜行こう。」

 

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仕事が終わり、サブウェイで軽食を済ませた後、アートプラネタリウムへ向かう。

 

「大人2人」とチケット売り場の窓口へ話しかけると、窓口の係員はチラッと2人を見ると

 

「はい、60000ウォンです。」

 

と、チケットを渡した。

 

ドンシクは、係員の視線が少し気になったが、ジュウォンはお構いなしだ。

 

「実は僕、プラネタリウムって、、、子供の頃に父と一回しか行ったことなかったんです。父はいつも多忙でしたから。」ジュウォンはチケットを持って嬉しそうだ。

 

映画館のようにコーラとポップコーン片手に中へ入ると、もう中は薄暗い。

 

目が慣れて来て気がつくと、周りはいちゃつくカップルばかりではないか?😅

 

それもそのはず、後で気がついたのだが、夜間の営業はカップルシートのみの販売になっていて、ほぼ100%が、カップル!

 

そのため、自分たちは受付嬢に男性カップルだとおもわれたようだ。

 



 

カフカのシートに座り、ポップコーンを食べていると、程なくしてアナウンスが流れ、辺りが暗くなる。

 

「もうすぐ始まりますよ!」ジュウォンは目をキラキラさせている。



 

「…ああ。」ドンシクはジュウォンの楽しそうな顔を見ていたら、たまにはこういう所に連れて来てやるのも悪くないなと思った。

 

初めはプロジェクションマッピング からだ。フカフカのシートに寝ているのでプラネタリウムの天球が自分の足元から頭まで広がっている。

 

体全体がすっぽりと映像に包まれる体感型映像がここのウリなのだ。

 

もちろん音響も8方向から聞こえてくるので立体的に感じる。

 

やがて、真っ暗な中に一輪の花びらが現れて舞い落ちる。



 

 

その花びらがどんどん増えて行ったと思ったら、闇の中に大きな一本の大きなしだれ桜の木が浮かび上がり、まるで自分がハチになったかのように、その枝の間をすり抜ける。

 



 

 

桜の花から今度は菜の花へ移動する。眼下に広がる黄色い絨毯が眩しい。凄い勢いで菜の花畑の中を駆け抜ける。

 



 

やがて、視界は黄色から淡いブルーへ変化していく、、、ネモフィラ畑だ。

花びらスレスレに飛んでいたとおもったらネモフィラ畑から舞台は一気に碧い海の中へ。

 

 

極彩色の深海生物たちがお出迎えだ。体の色を七色に変化させ、ウミヘビやカニに擬態するタコや、まるでレースのカーテンのようなヒラヒラをくねらす紫色のミカドウミウシ

 

 

 

煌めくイワシの大群が通り過ぎると、今度は自分たちは小さなは魚になり、イソギンチャクの群れの間をわたり泳ぐ。



 

体に絡みついてくるイソギンチャクの半透明の触手をリアルに感じるようだ。

 

やがて、イルカの群れに合流し、大海原を滑るようにジャンプしながら泳ぐ。

 



 

すると知らない間に、大海原は漆黒の宇宙に変わり、自分はスペースシャトルの外を眺める宇宙飛行士になっていた。

 

シャトルのハッチをゆっくりと開けて、外へ飛び出す。すると、数えきれないほどの美しい星たちが目の前に散らばって、、、どんどん星の世界へ飲み込まれていく。。。

 



 

気がつくと、知らぬ間にプロジェクションは終わり、後半のプラネタリウムが始まっていたようだ。

ゆったりとした音楽が流れ、低い声で星座の解説が始まる。

 

 



 

緊張がほぐれたのか、急に喉が渇いて来て、手元のコーラに手を伸ばす。

 

コーラだと思ってつかんだのはジュウォンの手だった。

お互いぎくりとして手を引っ込める。

 

ジュウォンは平静を装って星空を見上げているが、耳が熱くなり、星の説明は全く耳に入ってこなかった。

 

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帰り際、2人は意外な人物にあった。

ドンシクの中学の同級生だ。

 

「おい、ドンシクじゃないか?」話しかけて来たのは向こうだった。

 

 

「ん、あ?お前は…」見覚えのある顔だ。

 

「ソ・ジホ。科学クラブで一緒だった。」と笑顔を見せる。

 

 

確か、頭のいい生徒で、美術も得意だった。科学クラブで1番女の子にモテていた、、、

 

「あー、覚えてるよ。たしか、いつも学年トップだったよな」

 

「はは、いつもではなかったけどね。こんなとこで会うなんて奇遇だな、一杯のまないか?」

 

「あー、悪い。今日は連れがいるから。また今度」ドンシクは、隣をチラリと見る。

 

ジュウォンは、不機嫌そうにジホを見ている。

 

「へぇ、、、あのドンシクが、そっちの人になるとは意外だな。」と、ジュウォンをチラリと見る。ソ・ジホにもカップルだと勘違いされたようだ。

 

「あ、僕はただの仕事のパートナーです。」と、慌てて否定するジュウォン。

 

「ただの、仕事のパートナーと来る所じゃないんだけどぉ、、、まあ、また今度ゆっくり話そうぜ。」

 

と、ジホは2人に名刺を差し出した。

 

…ディメンション・ワールド代表?

 

「ひょっとして、今日のプロジェクションマッピングの? 」ジュウォンが急に話に入って来た。

 

「めちゃくちゃ素敵でした!!もう、別世界にいるみたいで!!感動しました!」

 

「そう?嬉しいな。前半の映像と音響部分を担当しているのがウチなんだよ。そんなに喜んで貰えて光栄だよ。、、、2人には特別に年間パスポートをあげるよ」

 

そういうと、金色のカードを2枚差し出した。

 

 

「初めて使った日から、席さえ空いていれば、1年間何度でも入れるパスポートだよ。」

 

ジュウォンは飛び上がりそうなほど喜んでいる。

 

「ジホや、ありがとう。今度時間がある時連絡するよ」ドンシクはジホに手を振った。

 

 

016へつづく