【怪物★アナザーストーリー】011
011.ドンシクの部屋へ
「ドンシクさんは現場経験が長いですから、同じように物事を見ても気がつく事が全然違いますね。さすがです。」
ジュウォンはドンシクを車で部屋まで送る。現在は勤務地に近い所にマンション住まいだ。
マニャンから通えない場所でもなかったが、ユヨンの白骨死体が出て来たあの家は、思い出したくない過去の方が多いから…。
マンションの前で車から降りるドンシク。振り向き様に
「ジュウォナ…ラーメン食ってく?」
「え?あ…ハイ。」反射的に答えてしまい、なぜかドギマギするジュウォン。
部屋に着くと、ドンシクは鍋に水を入れ、火にかけた。
本当にラーメンを作るらしい。
ジュウォンは、ホッとしたような複雑な気持ちだ。(ラーメン食べてく? は、韓国ドラマだと異性への誘い文句だからだ💦)
ジュウォンは、海外生活が長く、両親とも離れて暮らしていたため、韓国ドラマや韓国のアニメを見て韓国語を覚えたのだ。
その他には、英語、ドイツ語、中国語。日本語もカタコトなら話せる。
テーブルに鍋と箸2膳。キムチ2種類を持って来たドンシク。
中にはホカホカのラーメンと卵が一つ入っている。
「あの、、、取り皿は?」ジュウォンは固まっている。
「バカだな、鍋から直接食べるんだよ。それが韓国式。知らないの?」
「僕は、、、鍋からそのまま食べたことないです。」
「分かったよ💦 これでいいだろ」ドンシクは取り分けてやる
「こーやって卵をくずして、箸で麺を絡めて、たべらら…」(麺を口に放り込んだドンシク。その後キムチも口に押し込む)
「…って食べるのが韓国式の、行儀のいい食い方だよ。」
「、、、やってみます!」ジュウォンはドンシクと同じようにラーメンを口に入れて、その後キムチを口に押し込んでモグモグしている。」
「おいおい、慌てるから口の周りがベタベタだよ。」ドンシクは笑いながらテーブルの上のロールペーパーをちぎって、ジュウォンの口を拭いてやる。
苦笑いのジュウォン
「…その、トイレットペーパーをテッシュがわりに使うのも、まだちょっと慣れませんね😅」
「はぁ?新品なんだから綺麗だぜ?」
「わかってるんですけど、イメージが…」
「海外生活が長い坊ちゃんには、庶民の生活は合いませんかねぇ」とへそを曲げるドンシク
「あ、いえ。今日は一緒にいて色々と勉強になりました!韓国式ももっと勉強します!!」
ドンシクの部屋もいつもより明るくなったように感じた夜であった。