【怪物★アフターストーリー】004 母の面影
004.母の面影
マニャンへの高速の途中、運転するジュウォンにサービスエリアに寄るようにドンシクがうながす。
ジュウォンがミネラルウォーターを手に車に戻ると、ドンシクは運転席にいた。
「何で勝手に?」
「居眠り運転は危ないからな」
「居眠りなんてしませんよ」
「ハン警部、昨日ねてないだろ?」
「え?なんで?」
「何でわかるかって?顔見りゃわかるよ」
「そんな」
「それに、さっきの料理、いくつか味見したけど、、、みんな作りたてだった。へやも掃除したてだったしね」
「…。」図星だった。
「オレはあれから8時間たっぷり寝てきたから心配すんな」
「別に心配なんてしてませんよ、車が心配なだけです!」
仕方なく助手席に座る。
運転するドンシクの横顔をじっと見ていると、なぜか動悸が激しくなる。
「ハン警部。そんなに見てられると、余計に事故りそうだから、寝ててください。」
「ゲホゲホっ!」ドンシクに言われ慌てるジュウォン。
今度は見ないようにギュッとめをつむった。
気がつくと、カーラジオから懐かしい曲が流れ、ドンシクの鼻歌が聞こえてきた。
古すぎてタイトルも分からないけど、暖かな日差しとあいまって心地良くてずっと聴いていたい。そんな気持ちになっていた。
そして、夢を見た。暖かな光がさす子供部屋で、母親に膝枕され髪を撫でてもらっている夢、、、。
ポカポカしてここちいい。母さんもわらっている。。。このままずっと夢の中にいたい、そう思った時、何処からか声が聞こえた。
「ジュウォナ〜 ジュウォナ〜…」
「‼️」驚いて跳ね起きる
「そんなに身構えなくても、襲ったりしないよ。老人ホームについたから…」
見ると既にドンシクの横には、車椅子に乗った母親が…
慌ててねぐせをなおし、車から降りて挨拶する。
「こんにちは!ハン・ジュウォンです。」
005へ続く