【怪物★アフターストーリー】001 ハン・ジュウォン警部補の部屋
ここから【怪物★アフターストーリー】のはじまりです。
001.ハン・ジュウォン警部補の部屋
いったい、何度同じことを考えているんだろう。。。
ナム・サンベ所長の一周忌から3ヶ月。
あの人の笑顔が何度忘れようとしても頭の中に浮かんでくる。
最後に会った時、髪を切って随分印象が変わっていたあの人。
しかし、本来あんな風だったのかもしれない。
若い頃はギターを抱えて歌っていたという。ひょっとして歌手にでもなりたかったのか?
そんな夢や、暖かい家庭を全て奪われて今まで孤独に過ごしてきたのだ。
しかも、それが自分の父親のせいだとも知らず、あの人を犯人扱いして追い詰めようとしていたんだ、、、僕は。。。
ジュウォンはそこまで考えて、いつも携帯のメールのやり取りを見返す。
パートナーになった時にメアドを交換したから、今でもメールのやり取りは出来るのだが、、、。
いつもなら、パートナーを解消した時にすぐメールアドレスを消していただろう。
でも、今回は消さなかった。なぜか消せなかった。
あの人からの最後のメッセージは「困ったことがあったら、いつでも連絡くれよ」という社交辞令的なものだった。
その時に自分が返した返事に今でも後悔している。
「パンマル(タメ口)やめてください!こちらからは連絡なんてしません。」
😭あー!何度見ても後悔しかない!!(涙)
思わず携帯を握りしめたままベッドに倒れ込んでしばらくの間、足をジタバタさせていた。
その時、突然!ベルが鳴った!
ビックリして、携帯を見ると、、、あの人からではないか?!
なんで?今考えていたことがわかったのか?それともどこからか見てるとか?!
とにかく息を整えて、なんでもない素振りで電話に出た。
「…一体なんですか?こんな時間に?」
「ハン警部、こんな時間にはこっちのセリフですよ?」
「え?」
「謎のメール送ってきたから心配になって電話してあげたのにぃ」
「え??えっ???」
画面をメールに切り替えてみると、何と、こちらからメール送信していた。
しかも、
「ㅜㅜ」(泣)
「あ、いや、コレは送ろうとして送ったんじゃなくて、たまたま…」
「たまたま?」
「そう、ポケットに入れてたら、勝手になっちゃったみたいで」
「たまたまァ、ポケットに入れてたらァ、俺にメールを送ってしまった…と。しかも、涙マークの?」
「本当です!」
「OK。…本当だとして、こんな夜中にメールで起こされた俺に、ハン警部は何をしてくれるのかな?」
「何って?」
「二日間完徹して張り込み、犯人捕まえてボロボロになって家に帰ってきて、、、飯も食わずにやっと眠りについた。その一時間後に謎のメールで起こされて…」
「わ…分かりました!すみませんでした!!何でもしますから言ってください!」
「うーん、、、じゃあ明日。非番なんで付き合ってくださいよ。」とドンシク。
「明日ってそんな急に。。。いえ、分かりました。変わってくれそうな後輩がいるから、交代してもらいますよ。」
「じゃ、オレ眠いんで、ハン警部の今の住所、メールに送っといて下さい。明日の昼前頃行きます。」
「あ、もしもし?ちょっと!」
、、、電話は切れていた。
どうやら、運命の歯車は再び回り始めてしまったみたいだ。
002へつづく