HAKYUN LOVE’s STORY【はぎゅらぶ】

【韓国ドラマ 怪物】のその後を勝手に妄想

【怪物★アナザーストーリー】009 強力班に来た理由

009.強力班に来た理由

 

「新しく配属された、ソ・ジュウォンです。来週からお世話になります。

今日は挨拶がてらお伺いしました。」

 

「ソ・ジュウォン?」ドンシクは驚いたが、ジュウォンには、名前を変えた理由があるのだろうと、それ以上聞かなかった。

 

髪型も変わっているし、ずいぶん前にテレビで見ただけの人であれば、彼があのハン・ギファンの息子、ハン・ジュウォン警部だった事は思い出さないかもしれない。

 

それに、、、ずいぶんと明るい印象になったなとドンシクは思った。

 

 

ジュウォン見たさに事務の女の子たちが遠くからチラチラと見ている。

 

「これ、良かったらみなさんで食べてください。」ジュウォンは紙袋を机の上に置く。

 

「なんですか?」チャンスは紙袋をのぞく。「あ!うまそう!!」

 

「マドレーヌです。最近は料理が趣味で…」

 

「キャー💕美形で料理も得意なんて素敵〜!!」と女子たちは大騒ぎである。

 



 

ーーーーーーー

 

数日後、ハン・ジュウォン…もとい、ソ・ジュウォンは移動して初日を迎え、ドンシクの班の一番下っ端の席へと座った。

 

一通り挨拶にまわったあと、席に着くとアン・チャンスが「今日はまだやる事ないから、一日中これでも入力して^_^」と、ここぞとばかりに溜まった書類をドサっと置いた。

 



「少年課から来た君には馴染みがないものばかりだろうから、分からないことがあったら遠慮なくききたまえ。」

 

チャンスは今まで一番下っ端だったので、後輩ができたのが嬉しくてしかたないようだ。

 

ところが、チャンスの意に反して、ジュウォンはテキパキと入力をこなし2時間後には、山のようだった書類は。はすっかりとなくなってしまった。

 

「じゃあ新入り君、とりあえず時間があるうちにメシに行くか。」ドンシクがジュウォンを連れ出した。

 

ーーーーーーーー

 

近くの小綺麗なカルグクスの店に連れて行く。

 

潔癖症のジュウォンのために、いつも行っている店よりは清潔そうに見える店を選んだ。カルグクス2つとマンドゥ一皿を頼んだ。

 

 

ジュウォンにとっては、こんな何気ない食事も、ドンシクと出会っていなければ食べられなかったかもしれない。

今思えば、潔癖症が治ったのもドンシクのおかげであった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

食事を簡単に済ませるとすぐ近くのカフェへ。

 

アイスアメリカーノを飲みながらドンシクが言う。

 

「そろそろ聞かせてくれてもいいんじゃないか? 俺に会いたくて来た…ってわけじゃないだろ?」

 

「やっぱり、、、なにかあるってわかっていたんですね?」

 

「何も理由なく移動してくるお前じゃないからな。」

 



 

「まず、名前は、単純にハン・ギファンの息子だと、動きにくいから、母の姓に変えたんです。」

 

「なるほど。」

 

「次に、女性少年係から強力班へ移動して来た理由は、、、自分が担当していた地区の少女の連れ去りが多発していて、、、」

 

「連れ去り?」

 

「でも、証拠がないから今の所、蒸発というか、家出みたいな扱いになっているんです。」

 

「で、連れ去りだと思う根拠は?」

 

「まず、去年から健康な高校生、しかも女生徒ばかりが消えているんです。」

 

「うん、つづけて。」

 

「学校の帰りや買い物帰り。クラブに行く途中の子もいました。」

 

「それで?」

 

「共通しているのは、お金を稼ぎたいと言っていたって事。」

 

 

「なるほど。闇バイトに釣られた可能性もあるな」 

 

「しかも、ほとんどが最後に目撃されたのが千里山(チョルリサン)周辺なんです。」

 

「?、、、千里山なんて、どう考えても学生が行きそうな場所ではないな」

 

「あの辺りに差し掛かると、急に人通りが減って、廃墟ばかりになりますからね。」

 

「あの山は昔から、軍の人体実験が行われていた施設があったとか、子供が神隠しにあったとか、いわくつきの場所だからな」